発達障害児における常同行動の理由と対応について

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発達障害児における常同行動の理由と対応について

いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、タイトルの通り「発達障害児における常同行動の理由と対応について」お話させていただきますので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

■常同行動ってなに?
みなさんは“常同行動”という言葉を知っていますか?
常同行動とは、一見すると目的なく同じ動きを繰り返す行動のことを言います。
幼少期に初めて症状が現れ、個人差がありますが成長とともになくなることもあります。
常同行動の具体例として下記のような行動が挙げられます。

・手をヒラヒラさせる
・ぐるぐる回る
・手をパチパチする
・同じところを行き来する
・体を揺らす
・頭を打ち付ける

他にも様々な例が挙げられますが、どのような常同行動が見られるかは人によって千差万別です。
常同行動自体が直ちに問題とみなされることはありませんが、そういった症状が社会生活上著しく問題につながる場合は医学的な対処が必要となります。

■常同行動はどんな人に現れるの?
常同行動は、認知症、知的障害、発達障害のある人に現れることが多いです。
私たちの事業所の対象は児童ですので、以下では子どもの常同行動とその問題について説明します。
知的障害や発達障害のある子どもの場合、全体の4%~15%に常同行動が現れます。
幼少期を過ぎても常同行動が続くことが多いですが、行動の内容そのものは変化することがあります。
また、知的障害や発達障害のない子どもでも、全体の3%~4%に常同行動が現れますが、多くの場合は発育とともに自然と消失します。

■なぜ常同行動をするの?
なぜ子どもたちは、一見意味がないように思える常同行動をするのでしょうか?
周囲には無目的に見えても、実は子どもたちからすればしっかり理由があります。
その理由は大きく3つに分類できます。

◆何かの要求を訴えている◆
常同行動の理由の一つに、何かしらの要求を訴えているということが挙げられます。
例えばお腹が空いていたり、部屋の温度が著しく変化して寒い・暑い、衣服が擦れて痒いなど。
何かの不快感や不満を抱えていることが原因となり常同行動を起こしてしまいます。

◆精神的な安定を求めている◆
障害を抱えている子どもたちは、五感の中でも特定の感覚が飛び抜けて敏感なことも少なくありません。
そのため、多くの人にとっては気にならない音が大きなストレスとなり不安を感じることがあります。
その結果、不安や緊張、不快な刺激を遮断し、気持ちを安定させるために常同行動をとる場合があります。

◆刺激を求めている◆
上記でお伝えした「刺激に不快感を感じる」のとは逆に、大きな刺激を求めようとする子どももいます。
例えば、その子にとって刺激が少ないと感じた場合に自分で大きな音を出してその音で遊んだり、ぐるぐる回ってより多くの刺激を求めようとします。

■常同行動はどんな時に問題となるのか?
常同行動は、子どもが何かを訴えるサインであったり、刺激を楽しんだりしていることが多いので、それ自体が直ちに問題となるわけではなりません。
しかし、常同行動が原因で日常生活や社会生活に支障が出る場合は、対応が必要となります。
例えば、他者を巻き込む、周囲の活動を制限する「大声を出す、大きな音を立てる」場合や、
本人の学習や社会活動への参加を妨げる「学習中に立ち上がりくるくる回る」場合、他者や本人に危害や損害を及ぼす「血が出るほど爪を噛む、頭を打ち付ける」場合などがあります。
では、常同行動が気になるご家族の皆さまや、私たちができることは一体なんでしょうか?

■ご家庭でできること
常同行動により日常生活や社会生活に支障が出ないように、家庭で支援できることもあります。
3つご紹介します。

◆行動の置き換え◆
問題のある行動を、自然と無害な行動に置き換えてみましょう。
(例)机を叩く→→ 楽器に置き換えたり、楽器を叩くように促す。

◆行動の指示◆
自分が何をしたら良いか分からず常同行動をする場合もあります。
そんな時には“次に行う行動を指示”してあげましょう。
(例)手をヒラヒラさせていたら、「次は、積み木を並べてみよう」「次は、絵を描いてみよう」などと指示を出す。

◆行動の制御(条件付け)◆
家の外と中など、場所を分け大きな変化をスイッチにすることで、行動の制御方法を覚えさせていきましょう。
(例)どこでも大声を出す行動に関して「家の中ではいいよ!外に出たらやめようね」と約束する。

■まとめ
子どもの常同行動の背景には、子どもなりの理由があります。
子どもの背景を読み取り、気がつき、理解し対応する。
周りの大人たちが、常同行動の理由をよく理解し関わることが、常同行動の改善につながっていきます。
子どもの発達段階と行動の重症度に応じて各専門機関に相談し、場合により治療や療育を受ける必要があります。

私たち ZENIBAKO Brave は医療機関ではありませんが、代わりに十分な療育の提供ができます。
これまでご紹介した常同行動、またそれ以外で何か気になる症状や行動があった時は、まずはお気軽にご相談いただき、ぜひ大切なお子さまのお話を聴かせてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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