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2023.06.19
コラム
「負けると怒る子どもたち」
皆さんは1番になれなくて泣いたり怒ったりした経験はありますか?
幼少期・学生時代・はたまた社会人になってからも負けて「悔しい!」と涙をにじませた経
験があるのではないでしょうか。
子どもたちの中にも、負けを受け入れられない子がたくさんいます。
1番になれないと癇癪やパニックを起こし、本来幼少期で感情のコントロールを経験し学
んでいくはずが、発達に心配のある子どもたちはこれがとっても難しいのです。
これを「1番病」と言います。
なぜ、負けると癇癪を起こすのでしょうか?
【1番病の理由】
■数概念の未発達■
例えば 10 人でゲームをし、自分は3位でした。
10 人中の 3 位は上位なので、なかなか良い成績ではないでしょうか?スポーツでも表彰さ
れる順位ですね。
しかし、数概念の認知能力が未発達だとこの理解が困難です。ですので分かりやすい「1番」
に固執すると考えられます。
■負け=嫌なこと■
勝ったらオモチャだったのに負けたので残念賞のティッシュだったなど、負けたことで自
分にとって嫌なこと・不必要なことがあるという経験をすると、「負けると嫌なことがある」
にたどり着きます。
それ以降彼らの中に残るのは負けて嫌だった“結果”であり、中身や努力の過程は関係ないの
です。
■ルールの固定化・見通しが立たない不安■
勝負事は勝ち負けの見通しが立てにくいものです。
発達に心配のある子どもたちは、この「見通しが立たない」がとっても苦手です。
不安を抱えて挑む勝負ほど苦しいものはありませんね。
以前に勝ったルールに固執したり、自分でルールを決めて「負ける」未来が訪れないように
した結果、ズルになることもあります。
■経験不足■
そもそも勝負経験が圧倒的に少ないため、勝ったり負けたりすることに慣れていないこと
があります。
努力して・楽しんで勝ったり負けたりを日々繰り返すことで、人は多くの学びを得ます。
ただその過程を知らないので、唐突に経験する「負ける悔しさ」を自己処理できず、大泣き
や大暴れなど癇癪を起こすことでしか表出できないのです。
■そもそも自分のことで手一杯■
1番にこだわって癇癪を起こした結果、活動やゲームの進行を止めてしまうことがありま
す。上記の理由から癇癪を起こし、活動が止まり、周囲の人が困っていても、彼らは自分の
「負けて悔しい、1番が良かった」気持ちを表出するので手一杯。他人のことを考える余裕
はないのです。
【私たちにできること】
■勝ち負けを繰り返し経験する■
自身の感情のコントロール感覚を知るには、言い聞かせや知識としての習得だけではなく、
何よりも「経験」です。
自分で経験して初めて、知識とリンクして自分の実績となっていきます。
例えば簡単なゲームを通して経験を積むことで、遊びながら数概念を学んだり、思い通りに
いかないことも楽しみながら軌道修正しやすい工夫をしましょう。
■親子でスタート■
関わりが難しい友達との実践では序盤は難しいかもしれませんので、初めは親子 2 人で楽
しむことから始めると良いですね。
■慣れたら次のステップへ!安心できる環境を■
親子 2 人の勝ち負けを繰り返し経験し、怒る回数が減ってきたら次のステップ。兄弟姉妹
や慣れているお友達を交え、徐々に小集団・集団とレベルを上げていきます。
【最後に】
子どもが癇癪を起こす、言う事を聞いてくれない、こだわりが強くて困る。
ついつい「キーーッ」となることもありますね。大人も人間ですから感情的になるのは当た
り前です。
ただ、そんな時こそ一度踏みとどまって思考を巡らせてみましょう。
「何があったんだろう?」
「何にこだわってるんだろう?」
「どうして指示が通らないんだろう?」
癇癪の理由が分かると、その先の道が明るくなってきます。
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