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2022.12.22
コラム
「大人が大切にするべき声かけの仕方~叱る編~」
8月5日アップのコラム「大人が大切にするべき声かけの仕方」今回は「叱る」についてお伝えしていきます。
子育てに励む中で、お子さまを叱ったことがある保護者さまはたくさんいらっしゃると思います。
ただ、自分が「怒っているのか、叱っているのか」判断基準が難しいですよね。
「叱る」と「怒る」の違いって、何でしょうか?
■「叱る」と「怒る」は理由が違う■
辞書的な意味で言いますと、どちらも「相手の問題点を咎める」といった趣旨の内容で、ニュアンスは一緒です。
ただ、理由や目的が異なるので、そこを履き違えないように今一度確認しましょう。
◇「怒る」とは・・・自分の都合で相手を責め立てること、つまり自分本位な理由
◇「叱る」とは・・・相手の今後を考えて諭すこと、つまり相手本位な理由
なるほど!となりますね。
ただ、分かってはいても「あーまた怒っちゃった・・」と後悔することも多いかと思います。
“叱るは子どものことを考えたもの。
怒るは大人の一方的な都合のもの。
それでも違いが難しければ、
『この子が幸せになれますように』と思いながら言えたなら、
それは叱ったと考えていい。
ママパパも人間だから怒っちゃう時もある。
それは当たり前だから、自信を無くさないでほしい。“
ある有名な保育士さんが、ご自身の著書で仰った心打たれる文言です。
この言葉だけで、何だか救われますね。
双方の違いについてしっかりと腹落ちさせた上で、改めて「叱る」についてお話しします。
■「叱る」のポイント■
「叱る」ということは、とても難しいことです。
自分は良かれと思って伝えていても、受け取る側は「怒られた」と感じたり、子どもが癇癪を起こしている時に
は思わずイライラすることもあると思います。
相手を良い方向へ導きたいという思いは大切ですが、それが押し付けにならないような言葉選びが重要です。
では、上手に叱るにはどうしたら良いでしょうか?
4つのポイントから、子どもに伝わりやすい言葉を考えていきます。
① 「ダメ・違う」をなるべく使わない
② 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける
③ 好ましくない行動の理由を説明する
④ 親の気持ちを正直に伝える
■4つのポイントを深く知る■
① 「ダメ・違う」をなるべく使わない→「そうだったんだね・わかるよ」から始める
子どもが道路に飛び出した、ガラスに突っ込もうとしたなど、危険な場面では「危ない!!」と大声を出す
こともやむを得ません。
例えば箸やフォークの持ち方が違って「違う!何回言えばわかるの!」「あーダメダメ!」と言うのは子どもを否定する言葉です。
自分を否定され続けることで、反発心を生みフラストレーションが溜まります。
よっぽど危険がなければ、子どもの気持ちや理由を汲み取り認めることが大切です。
「そっか、こう持ちたかったんだね」と認めることから入ることで、子どもの反発心を軽減します。
ここで勘違いしてはいけないのが、「子どもの行動自体をまるっと認め放置する」とは違うこと。
持ち方が違うことは事実なので、「こう持ったらもっと食べやすいね」と教えてあげましょう。
② 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける
これについて、「褒める」のコラムで触れています。
「玄関の鍵を勝手に開けないでって何度も言ってるでしょ!頭が悪いのね!」
子どもの人格や能力、欠点などを責めたり、他人と比較をすることで、子どもはやる気と自信をなくします。
私たち大人が子どもに求めるのは結果でしょうか?その過程でしょうか?
適切な過程を踏んでの結果です。まずは過程を見てあげましょう。
「鍵を開けてしまったんだね。次はどうやったら、自分で開けずに待っていられるかな?」など、一緒に考えていくことで子どもは大人の声に耳を傾けやすくなります。
③ 好ましくない行動の理由を説明する
褒める時に「具体的にどんなことが良かったか」説明するのと一緒です。
自分がしたことが、自分自身や友達などにどんな影響があるか、道徳心を育むために具体的に教えていく必要があります。
一方的に叱ったり罰を与えることをほのめすことで、子どもはその場ではやめるかもしれません。
ただ、それは「罰を受けたくない、怒られたくない」思考からであり、なぜやってはいけないのか本質理解ができないまま育っていくでしょう。
そうなると、大人の顔色を伺い隠れて悪いことをしようとするかもしれません。
「道路に飛び出すとあなたが大けがをするし、車を運転する人も怪我をするかもしれない。
そうなったらママも悲しいから、外では手を繋いで歩こうね」と一つひとつを分かりやすく話してあげましょう。
④ 親の気持ちを正直に伝える
アイメッセージ(I Message)を知っていますか?
アイメッセージは、物事に対して「私はどう思ったか」を伝えることです。
逆に「あなたがこうだからこうなった」と伝えることをユーメッセージ(YOU Message)と言います。
例えば、子どもが兄弟の大切なオモチャを取り上げて壊してしまいました。
こういった場面では反射的に「やめなさい!」「どうして壊したの!謝りなさい!」など一方的に責めたり、
「あなたがオモチャを無理やり取ったから壊れたでしょ」など、相手中心の批判をしてしまいがちです。
ユーメッセージで怒られるのは、子どもにとって「責められた」の一択です。そのため自己防衛で嘘や言い訳をしたり、攻撃的になったりします。
では、子どもと冷静に話し合うためにはアイメッセージでどのように伝えれば良いでしょうか?
□子どもの行動を客観視:行動
「オモチャを取り合って壊れちゃったのね」
□自分(親)や相手(関わった人)がどう感じたか伝える:感情
「オモチャを取ったりして壊してしまうと、ママはとても悲しい気持ちになるよ」
「使っていたオモチャを急に取られて、〇〇は落ち込んでいたよ」
□その行動がなぜ問題なのか、自分(親)や相手(関わった人)への影響を例で説明する:影響
「オモチャを取り合って壊れてしまったから、もう遊べなくなって困った」
□次はどうしたら同じことを回避できそうか、一緒に解決策を話し合う:提案
「オモチャを無理に取ったりしないで 2 人で仲良く遊べる方法を、一緒に考えよう」
いかがでしたか?
アイメッセージは叱る時だけでなく、褒める時にもたくさん使えます。
「〇〇が一緒にお片付けしてくれたから、お部屋が綺麗になってママとっても助かったし嬉しいよ。
一緒にお片付けしてくれてありがとう!」
子どもはたくさんの良いこと・良くないことを経験し、学ぶことで成長していきます。
子どもたちがこの先困難な壁にぶち当たった時に、いつしか自分の力でより良い選択ができるよう、
社会生活で楽しく穏やかに過ごせるよう、一つひとつの関わりを大切にしていきたいですね。
「子どもにどう声をかけたら良いか分からない」
「こんな時どうしても怒ってしまう。どうすれば話し合いができそうか」など、気になったことや相談する相手が欲しい時は、ZENIBAKO Brave までご連絡ください。
皆さまの大切なお子さまの成長を、私たちが一緒に関わり応援します。
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