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2022.05.23
コラム
運動療育 〜粗大運動と微細運動〜
以前のコラムでは「放課後等デイサービスにおける運動療育とメリット」についてお話ししました。
その中で運動療育とはどういうものなのか?どんな効果をもたらすのか?を説明しています。
今回は運動療育の中からさらに詳しく「粗大運動」と「微細運動」についてお話しして行きたいと思います。
◼粗大運動とは?
粗大運動と聞くと「大きな動き?」「粗雑な運動?」と思われるかもしれません。
粗大運動とは生活の基礎となる動きのことです。歩く・座る・立つなど日常で動かし常用的に使っている運動です。
当たり前のように行動していると忘れてしまいがちですが、日々の中で簡単にできている事や意識せずともできている行動にはとても複雑で筋肉と脳が緻密に連動し働きかけています。
例えばキャッチボールをするとしましょう。
ボールを掴んで投げるだけですがそれまでに飛んで来たボールを目視で距離感を掴み・素早く落下地点に移動し・飛んで来ているボールに対して適切な距離で腕を伸ばし手を開きます。
そしてボールが到達すると同時に手でボールを掴みます。
投げ返すときにはまた距離感を掴みボールを握って肩から肘、そして手首から指先に筋肉を連動させながら相手に向かってボールを放ります。
もちろん足を開いて体幹がブレないように重心を後ろから前へ移動することも同時に進行しています。
これだけの動作を数十秒の中で脳から筋肉に信号を送り処理することで行動として表出しています。
◼微細運動とは?
手や指を使った精密な動作を必要とするものが微細運動と言います。
絵や文字を書いたり、箸を使ってご飯を食べたり、積み木やビーズ遊びも微細運動の中に含まれます。
一般的に大きなものを扱うよりも小さなものを扱う方が難易度は高くより精密な動作を必要とします。
ヒトやサル種に備わっている運動で生活環境や水準に合わせて進化の過程で備わった機能とも言えます。
これらは出生時から成長を続けます。
赤ちゃんが体をひねったり手足を曲げ伸ばししたりすることが初期の粗大運動であり、そこから寝返りやハイハイなど体の成長とともに運動機能が発達します。
初めは掴むだけだった手もご飯を食べるようになればスプーンを使って食べるようになり、箸を使うようになっていきます。
より高度に動作を実行できるようになっていくのです。
◼体の「協調」
運動や動作は体の各部位同士が「協調」できていることで成り立ちます。
脳からの信号を筋肉に伝達して「命令」と「実行」をタイムラグなしで繰り返すことができるので、この時に「目で見て手を動かす」という目と手が協調できているため動作として成立します。
しかしこの「協調」がうまくいかないとボールとの距離感をつかめなかったり、ボールに触れてもタイミングがつかめずに落としてしまったりとうまくいかないことで増えてきます。
失敗を重ねると自信がなくなり、いわゆる「運動ができない子・不器用な子」と思われてしまうと運動自体が好きではなくなったりトラウマになることもあります。
この状況が続くと発達性協調運動障害と診断されることもあります。
知的な発達の遅れはなく、筋肉や神経、感覚器にも以上は認められたないのですが日常生活における協調運動が、
年齢に応じて期待されている水準より正確ではなかったり時間がかかる発達障害です。
■Brave での運動療育
それぞれの子どもたちの発達段階や、運動面や生活面をよく観察し理解した上で療育のプログラムを組んでいます。
晴れた日には散歩や公園遊びで全身を使った運動をして手足の動きや視線移動など複合的な粗大運動を養い、製作の時間では色鉛筆やハサミなど文房具で工作をすることで微細運動をしています。
放課後等デイサービスでは日々学習の時間と活動の時間を設けています。
内容詳細は以前のコラムに記載されていますので省略しますが様々な運動や学習活動を通じて少しずつ成長し実感しながら支援しています。
ただ実践を繰り返せば成長が見込めるということはなくまずは何が苦手なのかを把握して苦手に挑戦できる気持ち作りから始めることが重要で
少しずつ苦手や新しいことにチャレンジできる環境や雰囲気を大事にして子どもたちが楽しく療育に参加できるように日々意識して支援をしています。
できていることを認め褒めることで気持ちが満たされ挑戦することへの気持ちが維持されたり高まったりします。
本日は「運動療育での粗大運動と微細運動」についてお話ししました。
ZENIBAKO Brave で提供される運動療育について、より詳しく知りたい方は事業所までお気軽にご連絡ください。
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