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2022.05.27
コラム
「放課後等デイサービスに通う子どもによく見られる問題行動の理由と対策」
今回は、以前のコラムでも取り上げました「子どもたちの問題行動について」深く考えていきます。
【問題行動ってなに?】
そもそも問題行動とは何を指すのでしょうか?今回は放課後等デイサービスに通う年代の子どもたちから考えていきます。
□授業中に離席したり、教室や家から脱走する
□他者に手をあげたり暴言を吐くなどの攻撃性
□自傷行為がある
□大勢の前や授業中に奇声をあげたり独り言がある
問題行動とは、自分や他者の健康や社会生活を脅かす・社会適応を阻害する、“その場にそぐわない行動”のことを指しています。
【問題行動をそれぞれの視点から考える】
問題行動に対してご家族や周囲の人はどのように対応しているのでしょうか?親の気持ちになり少し考えてみましょう。
■親の気持ち「なぜ問題行動が改善しないのか?」■
問題行動があった時に、皆さんはどのように関わっているでしょうか。
子どものために良かれと思って厳しく叱っているつもりなのに、なぜか問題行動が減らないばかりかむしろ増えてしまっているのではないでしょうか。
大切な子どもたちには、これから先中学校、高校、大学、就職と光り輝く未来がありますが、成長するにつれ社会生活レベルは上がっていきます。
発達に心配のある子どもたちは、こういった社会生活を円滑にすることがとても難しいです。親としての責任感や、
子どもが社会に向け大きく羽ばたけるように少しでも社会の中で生きる難しさを軽減してあげたいと思うのが親としての気持ちですよね。
親として一生懸命に向き合っているのに、どうして問題行動が減らないのか?それは問題行動に対する“認識”と“対応“が間違っているからです。
「どうして問題行動をしてしまうのか?」子どもの視点に立ち考えてみましょう。
■主観と客観■
「授業に集中できなくて困ったわ、悪い子ね」など、現在問題行動でお困りの皆さんはまず大前提として今持たれている考えや意見が、親の主観的考え方でしかないことを忘れないでください。
主観は“事実に対してどう解釈するか”、客観は“見たままの出来事・事実”を指します。
例えば、「友達を叩いた」というのは変わることのない客観的事実ですね。
これに対して「悪い子ね」「楽しそうだな」というのは端から見た感じ方・考え・感想なので主観となります。
客観的事実は変わりませんが、主観は視点を変えることでいくらでも変わっていきます。
つまり、今までの考え方や対応で頑張ってきたけれど問題行動が変わらなかったという事実があるのであれば、それに対する考え方(主観)を変える必要があるということです。
■子どもの気持ち■
ここからは子どもの気持ちになり問題行動の理由を知ることで、子どもと親双方の負担を軽減し子ども一人ひとりに合った支援方法を見つけていきましょう。
問題行動の原因には大きく4つの理由があります。具体例を挙げながら、簡単に対応策をお伝えします。
① 注目を得たい
自分の意見を言葉にするのが難しかったり、気持ちが存分に満たされていない場合などに、問題行動を起こすことで自分に注目を集めようとします。
◆注目欲求を満たす◆
アイコンタクト、肩などに軽く触れる、触れ合い遊びなど軽いスキンシップ(過度は NG)で見ているよということを知らせ気持ちを満たします。
◆適切な発信の仕方や手段を教える◆
「見てほしいの?」「〇〇したかったの?」など子どもの気持ちやしたかったことを代弁することで、適切な表現方法を教えます。
◆問題行動に対して反応しない◆
目を合わせない、直後に叱ったりしない、問題行動が落ち着いたらその後は通常通りに関わることで、問題行動では注目を浴びられないことを知らせます。
② 嫌なことや環境から逃げたい
勉強量が多い、勉強内容が嫌、教え方が子どもに合っていなかった、席配置に納得していないなど、子どもにとって環境整備がされていない時に見られます。
◆つまづいている箇所を明確にし、子どもの理解度に適した学習内容に調整してあげる◆
この文章が難しかったのか?この計算が難しいのか?まずはどこにつまづいたのか、一緒に確認することでその子の理解度と学習レベルを把握します。
◆集中しやすい、話を聞きやすい環境を整える◆
発達障害の子どもの多くは情報が多いほど混乱します。目に入る情報をできる限り少なくしたり、伝え方をより簡潔にまとめるなどの工夫が必要です。
また些細な変化に弱く好き嫌いがハッキリしています。席替えや使っている物品が好きでなないと混乱することもあります。
③ 自分の感覚を満たすような刺激がほしい
元気が有り余っている時や手持ち無沙汰な時によく見られます。
◆エネルギーを発散できる場面をつくる・事前に感覚を満たす◆
よく急にジャンプする子ならばトランポリンで沢山ジャンプして感覚を満たす、よく走る子ならばグラウンドや体育館などで走って発散する、
みんなで一緒にクルクル回って楽しみながら発散するなど、子どもや環境に合わせて適切にエネルギーを発散させ、求める刺激感覚を満たします。
◆他のことで気を紛らわす◆
握って気持ちを落ち着かせるボールを持たせてそちらに気を向かせる、椅子にクッションなど軽くバウンドするものを敷いて常に刺激を感じることで離席を抑えます。
④ ほしいものを手に入れたい、したいことを叶えたい
欲しいものが目に入る場所にある、やりたいものが近くにある時などによく見られます。
◆適切な表現方法を伝える・交渉する・見通し提示(視覚的にわかりやすく)◆
「〇〇がしたかったんだね。〇〇したかったって言っていいんだよ。」など、叩いたり叫ばなくても言葉に変換し一緒に確認する事で言えば伝わることを教えます。
また、例えば3つあるものを3つ全部欲しがったとして
「今日は100円だけ持っているから、1つだけ買えるよ。3つ欲しい時は300円必要だよ。今日100円で1つ買う?それとも明日300円持って来て3つ買う?」など交渉したり、
「この白い線から、5本先の赤い柱まで行けたら、〇〇をしに行こうね」など、子どもが見通しを立てやすく目標が明確であれば気持ちの切り替えがしやすいですね。
【問題行動は子どもの Help 合図】
一見すると「なんてわがままなんだ!」と思われるかもしれませんが、それは主観でしかありません。問題行動は子どもたちからの「Help」の合図です。
助けて欲しいけれど、うまく表現できなくて問題行動に繋がってしまうのです。
感情的になってもお互いに苦しいですよね。
まずは一旦深呼吸をして、頭をスッキリさせたら叱ったり責めたりせずに、「どうしてだろう?」と要因を考えてあげてくださいね。
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